今回は「全世界株ポートフォリオ」のリターンを海外ETFと投資信託で比較してみたいと思います。
まず投資信託ですが、
国内株 「たわらノーロードTOPIX」
先進国株 「たわらノーロード先進国株式」
新興国株式 「たわらノーロード新興国株式」 を選びました。
結局全部たわらノーロードシリーズですね。 このシリーズの充実ぶりは本当にすごいです。
実質コストはこちらを参考にしました。
「たわらノーロードTOPIX」だけはまだ決算していないので、「たわらノーロード日経225」で代用しています。
実質コストは税込みです。
実質コスト | 組入比率 | 加重平均 | |
たわらTOPIX | 0.22% | 10.0% | 0.02% |
たわら先進国株式 | 0.28% | 80.0% | 0.22% |
たわら新興国株式 | 0.80% | 10.0% | 0.08% |
0.33% |
このポートフォリオ全体の実質コストは、0.33%になりました。
次に海外ETFです。
まずVT(バンガード・トータル・ワールドストック)の信託報酬は0.11%です。
そして
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット) -米国株
VEA(バンガード・FTSE先進国市場 除く米国)
VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ) を組み合わせたもの。
これが現在、最も低コストのポートフォリオだと思います。
実質コスト | 組入比率 | 加重平均 | |
VTI | 0.04% | 50.0% | 0.02% |
VEA | 0.07% | 40.0% | 0.03% |
VWO | 0.14% | 10.0% | 0.01% |
0.06% |
実質コストは驚異的な0.06%です。
まとめると、実質コストはたわら:0.33% VT:0.11% VTI+VEA+VWO:0.06% ということになります。
総リターン5%,配当2%とすると、配当を除いたリターンは3%です。
”配当を除いたリターン”は、3種類とも同じです。
そして配当に対しては、まず海外での源泉徴収税10%がかかります。これは投資信託でも課税されます。
海外ETFなら、それに加えて日本での配当金課税 約20%(20.315%)がかかります。
比較するとこうなります。
リターン(配当除く) | 配当 | 配当の税金(米国) | 配当の税金(日本) | 税引後リターン | 実質コスト | 実質リターン | |
たわら | 3% | 2% | 0.2% | 4.8% | 0.33% | 4.47% | |
VT | 3% | 2% | 0.2% | 0.4% | 4.4% | 0.11% | 4.29% |
VTI+VEA+VWO | 3% | 2% | 0.2% | 0.4% | 4.4% | 0.06% | 4.34% |
配当金への税金、コストを引いた実質リターンでは「たわらノーロードシリーズ」が一番良い4.47%です。
次に、海外ETFで外国税額控除を受け、米国での源泉徴収税を全額取り戻した場合です。
実際は外国税額控除で10%全部を取り返すのはなかなか難しいですが、ここでは全部戻ってきたとします。
リターン(配当除く) | 配当 | 米国 | 日本 | 税引後リターン | 実質コスト | 実質リターン | |
たわら | 3% | 2% | 0.2% | 4.8% | 0.33% | 4.47% | |
VT | 3% | 2% | 0.4% | 4.6% | 0.11% | 4.49% | |
VTI+VEA+VWO | 3% | 2% | 0.4% | 4.6% | 0.06% | 4.54% |
実質リターンは「VTI+VEA+VWO」の組み合わせがトップの4.54%になりました。
しかし、「たわらノーロードシリーズ」との差はわずか0.07%です。
実際には、海外ETFは「購入コスト(為替手数料+売買手数料)」「配当金再投資コスト」がかかります。それを計算に入れてみます。
まず「購入コスト」です。
前回お話しした、SBI証券で「FX経由でドルを購入」の手法を使うと、為替手数料は0.005%。
売買手数料は0.486%(税込み)です。
合計すると0.486+0.005=0.491%
20年間保有するとしたら1年間の平均コストは 0.491÷20=0.0246%
※ただし、売買手数料は上限があるので(SBI証券だと20.16ドル)、一度に大量購入したらコストは下がります。
「配当金再投資コスト」はややこしくなるのでざっくり0.005%ぐらいだとしたら、
合計約0.03%です。
このコストを海外ETF2種類から引いて比較すると、
たわら 4.47%
VT 4.46%
VTI+VEA+VWO 4.51%
になり、たわらがVTを抜きます。
さらにこれも前回お話ししたように、SBI証券で「たわらノーロードシリーズ」を保有すると、「投信マイレージサービス」が受けられます。
ポイント0.05%がついて、そのポイントは最低でも80%は現金化できます。
ですので、0.05×0.8=0.04%のリターンを得られるとします。
これを「たわらノーロードシリーズ」に加えると、
たわら 4.51%
VT 4.46%
VTI+VEA+VWO 4.51%
ということで、ついに「たわらノーロードシリーズ」と「VTI+VEA+VWO」がリターン4.51%で並びました。
外国税額控除をフルに受ける、という海外ETFに有利な条件でも、同じリターンです。
また、このシミュレーションでは配当率を2%に設定していますが、これは実はかなり低めの設定です。もし配当率を2.5%にすると、「たわらノーロード」4.46%,「VTI+VEA+VWO」4.41%と、たわらが完全に1位になります。
さらに「100円で世界に投資する ~ワンコイン投資」でもお話しした通り、投資信託は少額の購入や積み立て、細かいリバランスなどに圧倒的な利便性があります。
どうやら結論が出ました。
「全世界の株式には、投資信託(たわらノーロードシリーズ3種類)を使って投資する」のが良いようです。