現在の株式市場は割高なのか?

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昨年、アメリカ大統領がドナルド・トランプになってから、株式市場はずっと好調です。
例えば「VT」は1月に61.5ドルだったのが、現在69ドルを超えています。

こうなると気になってくるのが「現在の株式市場は割高なのか、適正なのか」ということです。
今回はこのことについて考えてみようと思います。

まず、「わたしのインデックス」で現在の状況を見てみましょう。

このサイトによると、全世界の現在のPER(株価収益率)は19.3倍です。
過去四半世紀のPERの算術平均は16.8倍ですから、19.3÷16.8=114.88% 「約15%割高」ということになります。

次に、「シラーPER(CAPEレシオ)」を見てみます。
シラーPERとは、単年度の利益ではなく過去10年間の利益からPERを計算したものです。

このグラフではシラーPERが29.69倍になっていますが、現在ではもっと上昇していて30.6倍です。
平均16.8倍と比較して、30.6÷16.8=182% 「約80%割高」です。

もっともこの指数は、「過去の企業は利益を過大に計上していた」「会計制度の改定で、過去と現在の利益基準が異なる」などの理由から、不正確であるという意見もあります。

なので、あくまでも参考程度にとどめた方が良いと思いますが、「割高である」という事実は変わらないでしょう。

最後に「バフェット指数」を見てみます。
バフェット指数は株式市場の時価総額をGDPで割って算出します。
ウォーレン・バフェットが株式のバリュエーションを判断する際に使用していると言われています。

これが100%なら時価総額とGDPが同じということなので、株価は適正であると判断できます。

現在は127.6%。つまり「27.6%割高」です。

まとめると、
全世界平均PER 15%割高
シラーPER   80%割高
バフェット指数 27.6%割高
となります。

平均して、「現在の株式市場は本来の価値より20%程度割高である」と考えても良いと思います。

次に、為替です。
全世界の株式市場における日本のシェアは8~9%ぐらいです。
つまり90%以上は為替レートの影響を受けることになります。

為替レートが適正かどうか判断するのは非常に難しいですが、私が最も参考にしているのが「購買力平価(PPP:purchasing power parity)」です。

購買力平価(PPP)とは、ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レート。

購買力平価 = 基準時点の為替レート × A国の物価指数 / B国の物価指数

例えば、ある商品が日本では200円、アメリカでは2ドルで買えるとすると、1ドル=100円が購買力平価だということになる。

ドル円の購買力平価

ユーロ円の購買力平価

グラフが見づらくて申し訳ありません。
詳しいグラフは「国際通貨研究所」のサイトからご覧ください。

青い線が実勢相場、赤が消費者物価、緑が企業物価、水色が輸出物価です。

まずドル円です。

ドル円は2017年7月現在で
実勢相場:112.15円
消費者物価:126.55円
企業物価:96.86円
輸出物価:75.46円
です。

ドル円は大体「企業物価」を基準に上下しています。
企業物価から見ると1ドル100円程度が適正なので、現在のドル円レートは「10%程度円安」ということになります。

次にユーロ円です。

ユーロ円は2017年7月現在で
実勢相場127.62円
消費者物価:95.47円
企業物価:97.57円
輸出物価:89.26円
です。

ユーロ円は基本的にずっと円安の状態が続いています。
ユーロは歴史が浅いので判断しにくいのですが、物価からの乖離率を見るとやはり「10%程度円安」と考えても良いのではないかと思います。

ドルとユーロで全世界の株の60%以上を占めているので、為替についてはこの2種類を把握していれば目安になると思います。

ここまでの情報から判断すると、厳しめに見て

「株式市場は20%割高」
「為替は10%円安」
となります。
両方を考慮して、現在の相場は大体「30%割高」であると言えると思います。

では、現在は株式市場に投資しない方が良いのでしょうか?
ところがそうはならないのです。
なぜなら「株式市場は長期的に成長する」からです。

「JPモルガン・アセット・マネジメント」が期待リターン長期予想を発表しています。

これによると、世界株式の期待リターンは5.75%です。
前回のトピックで計算しましたが、投資信託・ETFなどで全世界株に投資すると、大体0.5%のコストがかかります。
つまり、個人が得られる全世界株の期待リターンは5.75-0.5=5.25%です。

さて、現在の市場が30%割高だとします。
本質的価値が10000円/口のファンドがあったとして、そのファンドの価格は現在30%割高な13000円/口になっています。
このファンドに投資し、20年間保有します。

本質的価値(年5.25%成長) 購入価格
1年目 10,000 13,000
2年目 10,525 13,000
3年目 11,078 13,000
4年目 11,659 13,000
5年目 12,271 13,000
6年目 12,915 13,000
7年目 13,594 13,000
8年目 14,307 13,000
9年目 15,058 13,000
10年目 15,849 13,000
11年目 16,681 13,000
12年目 17,557 13,000
13年目 18,478 13,000
14年目 19,449 13,000
15年目 20,470 13,000
16年目 21,544 13,000
17年目 22,675 13,000
18年目 23,866 13,000
19年目 25,119 13,000
20年目 26,437 13,000

現在の価格が割高でも、7年目には本質的価値が購入価格を上回ります。
20年後の価値は26,437円なので、結果的には半額で購入したことになります。

年5.25%のリターンがあるのなら、市場が高騰しているときに購入しても、複利の威力で長期的にはプラスになるということです。

しかし、当然のことながら市場が割安なときに購入したら、長期的なリターンははるかに高くなります。
長期投資の観点から言えばリスクは低いとはいえ、現在の相場で資金を一気に購入するのはやはり躊躇します。

私としては、「たわら全世界株(たわらノーロードシリーズ3種類)」を積立購入しながら、市場が調整したらまとまった資金を投入、という戦略を取りたいと思っています。

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