【書評】未来の年表 人口減少日本でこれから起こること

スポンサーリンク

「未来の年表 人口減少日本でこれから起こること」という本を読みました。

新書なのでkindle版で756円と手ごろな価格ですが、これが結構拾い物の良い本でした。

少子高齢化で日本の人口が減っていくことは、多くの方がご存知だと思います。
私もこのことは既に十分理解していると思っていたのですが、この本を読んでまだまだ知らないことがあることが分かりました。

未来を予測することは非常に難しいですが、人口動態はかなり正確に予測できるものの一つです。
これから急に子供が増えるわけではありませんので、今後日本の人口が減少していくことは間違いのない事実です。

著者の河合雅司さんは、豊富なデータを基にして「人口減少」という未曽有の事態が今後日本にどのような影響を与えるか説明しています。

冒頭でまず「人口減少カレンダー」が示されます。
今後100年間で何が起こるかを年表にしたものです。

ここには、気分が落ち込むような記述が並びます。

例えば
2018年 国立大学すら倒産の懸念
2024年 団塊ジュニア世代がすべて75歳以上となり、社会保障費が大きく膨らむ
2026年 高齢者の5人に1人が認知症患者となる
2033年 空き家が2167万戸を数え、3戸に1戸は人が住まなくなる
2039年 死亡者数が約168万人になり、火葬場が不足する
2045年 東京都民の3人に1人が高齢者となる
2055年 4人に1人が75歳以上となる
2065年 総人口が約8800万人になり、2.5人に1人が高齢者となる
2115年 総人口が5055万5000人まで減る

この後詳しく説明していくわけですが、その中から私が印象に残った部分をピックアップします。

○「若い高齢者」は減少する

高齢者というと65歳以上の人、と思いますよね。
しかし65歳の人と80歳の人では、活動レベルがかなり異なります。

高齢者をA:65歳~74歳とB:75歳以上に分類すると、Aの人口は2034年まで減少するそうです。
2018年には、Bの人口がAの人口を上回ります。

これを著者は「高齢者の高齢化が進んでいく」と表現しています。

最近のお年寄りは非常に元気ですし、高齢者になっても再就職したら、労働人口の減少や年金の不足も補えると思っていましたが、問題なく労働できる「若い高齢者」はむしろ減っていくのです。

国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、2025年時点の高齢者の分布は

65歳以上の高齢者総数 3677万人
65歳~69歳 716万人(19.5%)
70歳~74歳 781万人(21%)
75歳以上 2180万人(59.5%)

になります。
高齢者のうち60%が、75歳以上になるわけです。

75歳以上の人口が増加すると、何が起こるか

・配偶者が無くなったことにより、一人暮らしの老人(特に女性)が増える
・医療費が増える(75歳以上の人の医療費は74歳以下の5倍以上というデータがある)
・介護人員が足りなくなる
・認知症患者が増える

65歳~74歳が多いのと、75歳以上が多いのとでは、環境が全く異なるのです。

○東京都などの大都市も高齢者の増加に苦しむ

私は地方に住んでいますので、東京都など若者が多く、人口が増えている都市を羨ましく思っていました。

実際に人口に占める65歳以上の人の割合は、全国平均は26.6%ですが東京都は22.7%です。
反面、秋田・高知・島根などでは3人に1人が高齢者です。

しかし実はこのデータが盲点で高齢者の人数は大都市の方がはるかに多い」のです。

2010年から2015年にかけて、東京都では高齢者が約36万人増加しています。
対して秋田県は2300人の増加、高知・島根は15000人ぐらいです。

「既に高齢化している地方は、高齢者人口がこれ以上なかなか増えない」
「今後高齢者対策に追われるのは大都市」
のが事実なのです。

大都市で高齢者が増えると、病院のベッド数や輸血用血液などが不足します。
もちろん、介護人員も足りなくなります。

今後は大都市ほど老人が住みにくくなっていく、ということです。

私はアーリーリタイアしたら、インフラが整備され人口の多い大都市に住むのもいいな、などと考えていたのですが、考えなおしたほうが良いかもしれません。

この本には上記のこと以外にも様々な予測が記されています。
読んでいると、本当に気分が暗くなってきます。

著者は第2部に処方箋も示していますが、実効性ははなはだ疑問です。

最悪の場合を想定して、「年金の支給はゼロ」「医療費や食料費の増加で生活費多め」という条件でライフプランを作ってみた方が良いのかもしれません。

しかしその反面で、ビジネスチャンスも増える可能性があります。

一人暮らしの老人が増えるのは分かっているのですから、平地で病院が近く、交通アクセスも良い場所に単身者向けアパートなどを保有していたら、長期間安定して入居者を確保できるでしょう。

社会保障費の増加で日本の財政がパンクしたら、円安になって全世界株の価値は上昇するでしょうし、金利も上がるかもしれません。

今はとにかく勉強して、「さらに前に進む。しかし注意深く」投資していくことが必要だと思います。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする