ブラックスワン(市場の暴落)対策を考える

スポンサーリンク

「ブラックスワン」とは、ナシム・ニコラス・タレブの著書のタイトルで、「想定外で大きなインパクトがある事象」のことを言います。

ブラックスワンには正も負もあり、負のブラックスワンの典型がリーマンショックです。

今回は、この「負のブラックスワン」対策を考えてみたいと思います。

私は先月まで比較的大きなポジションを持っていました。
(現在は全て売却済みです)

海外ETFを50万ドル以上、日本円にして6000万円弱です。
そのうちの70%がVT(バンガード・トータルワールドストック)、つまり全世界株でした。

保有していたのはたったの3ヶ月ですが、その間どんどん上昇していく株価を見ながら、やはり暴落の可能性について考えてしまいました。

全世界株の最大リスクを40%と見積もっていましたから、金額にするとVTだけで最大損失は1600万円以上。
7月時点で株価は本質的価値より30%割高だと判断していたので、実際にそうなる可能性は十分あると思っていました。

私は、超長期では全世界株は成長していくと思っています。
資本主義社会は成長していくことが原則ですので、株価もそれに伴い上昇していくはずだからです。

暴落しても落ち着いてリバランスし、保有し続ければ将来大きなリターンを手に入れることが出来る、と考えていました。

しかし実際に大きなポジションを持ってみると、「常に暴落に怯える」状態が非常に不愉快であることが分かりました。
1600万円も損失を出し、もし怯えて売却してしまったら、取り戻すのに何年かかるか分かりません。

平気な方もいらっしゃるのかもしれませんが、少なくとも私は割高だと考えている株を保有している状態では、落ち着きませんでした。

私はアーリーリタイアしても、ある程度リスク資産を保有するつもりです。
そうしないと資金が枯渇してしまう可能性がありますので。

しかし、もしアーリーリタイアした後で総資産が20%減少したら、かなり辛いと思います。
耐えられるかどうかちょっと自信がありません。

ロバート・キヨサキはこの状態を「株を買って祈り続ける」と表現していますね。
彼は不動産投資で財を成した人なので、株式投資には厳しい見方をする傾向がありますが。

今回、株価が下落していく気配が見られるので再びポジションを作っていくつもりですが、同時に暴落時にあまり損失を被らない投資にチャレンジしたいと思っています。

○ポートフォリオの大部分は全世界株に配分する
○同時に暴落に対する保険を用意する

これが基本方針です。

ハワード・マークスは「投資で一番大切な20の教え」の294ページで、高いスキルを持つファンドマネージャーの成績の例を挙げています。

期間 ベンチマークのリターン(%) ポートフォリオのリターン(%)
1年目 10 12
2年目 6 10
3年目 0 3
4年目 -10 2
5年目 20 30

ベンチマークを大きくではないが少しアウトパフォームし、市場が下落しても少しリターンを得る。
彼はこのような運用が理想だと言っています。

私もこのような運用が出来る技術があれば、アーリーリタイアしても落ち着いていられると思います。
まだ給料所得があるうちに、試行錯誤して技術を身につけたいと考えています。

では実際にどうするのか。

ポートフォリオのリスク資産部分は、全世界株がメインになります。
またキャッシュフロー資産としてBND・JNKなどの債券ETFに投資する予定です。

全世界株における日本のシェアは約8%。BND・JNKはドル建て。
リスク資産の90%以上が外貨ということになります。

つまりリスク要因として
○円高
○株式市場(β)の下落
の2つを考えなければなりません。

リーマンショックの時のVTとドル/円レートの推移です。

  VT ドル/円 円換算 ドル建てリターン 円建てリターン 円建て-ドル建て
2007 55.27 117.75 6,508      
2008 32.98 103.36 3,409 -40.3% -47.6% -7.3%
2009 43.09 93.57 4,032 30.7% 18.3% -12.4%
2010 47.80 87.78 4,196 10.9% 4.1% -6.9%
2011 43.18 79.81 3,446 -9.7% -17.9% -8.2%
2012 49.42 79.79 3,943 14.5% 14.4% 0.0%
2013 59.40 97.60 5,797 20.2% 47.0% 26.8%
2014 60.12 105.94 6,369 1.2% 9.9% 8.6%
2015 57.62 121.04 6,974 -4.2% 9.5% 13.7%
2016 61.19 117.66 7,200 6.2% 3.2% -3.0%

リーマンショック後の数年間、同時に円高が進行したために、ドル建てに対して円建てVTがアンダーパフォームしていることが分かります。
その後回復局面では円安になったために今度はアウトパフォームして、結果は10年間で約10%とほとんど同じリターンになりました。

しかし、ボラティリティは円建ての方が高いです。
ドル建てでは2013年に2007年の水準まで戻っているのに、円建てだともう2年待たなければなりません。
最大損失もドル建ての40.3%を上回る47.6%と、約半分の資産を失っています。
10年後のリターンが同じでも、少なくとも私はその間の道のりが平坦なほうが良いです。

私はこの時に1000万円以上株式を保有していたので経験がありますが、この数年間は本当に辛かったです。
永久に戻らないのではないか、もう一段下落するのではないか、円高が50円まで進むのではないか、と悲観的な考えが頭を離れませんでした。
何度も全部売却してしまいたいと思いました。

株価が底値の時に全部売却してしまったら、最大のチャンスを失います。
リスクヘッジして損失を限定する技術があれば、このような状況を耐えることが出来るのではないかと思っています。

まず円高をヘッジすることでボラティリティを全世界株本来のレベルまで下げ、さらに本質的価値より相場が割高であると判断している時は株式市場(β)へのリスク対策を取ることで、暴落局面での損失を抑えるようにします。

私の見解では、現在はまさに「株高・円安」であり、両方の対策が必要です。

次回、まず円高対策について私の考えをお話ししたいと思います。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする