ブラックスワン(市場の暴落)対策を考える ~株式市場(β)の下落対策

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前回、円高対策についてお話ししました。

今回は株式市場の下落対策についてお話ししたいと思います。
株式には個別株のリスク「アルファ(α)」と、市場全体のリスク「ベータ(β)」があります。
私はインデックス投資をするつもりなので、αを考慮する必要はありません。ベータ(β)のリスクヘッジのみを考える必要があります。

【株式市場(β)の下落対策】

株式のリスクヘッジとしてはが有名ですが、グラフで見ると効果は今一つな気がします。
ダウと金ETFのIAUの過去1年間の比較グラフです。

赤がダウ、青がIAUです。
これを見ると一応逆相関で動いているようです。

それでは、2015年8月チャイナショックの時の動きを見てみます。

2015年8月にダウが10%下落している時に確かにIAUは上昇していますが、完全な逆相関にはなっていません。
2016年2月の急落時にはIAUは急上昇していますが、その後はダウと似たような動きをしています。

金である程度のリスクヘッジは出来そうですが、ちょっと使いにくいと思います。
やはり金は円高に対するリスクヘッジとして考えたいです。

それでは、金以外の対策としては何があるか。
私は次の2つを候補として考えています。

1.インバース(ベア)型ETF
2.オプション取引のプットオプション買い

1.インバース(ベア)型ETF

インバース型ETFとは、指数と逆の動きをするETFのことです。
日経平均のインバース型ETFとしては、

1580 日経平均ベア上場投信
1357 日経ダブルインバース上場投信
1360 日経平均ベア2倍上場投信

などがあります。
1357と1360は、日経平均の2倍逆に動きます。

つまり
1321日経225連動型上場投資信託を100万円、1580日経平均ベア上場投信を100万円持っていたら、リスクゼロ(リターンもゼロですが)になります。

私としては、1357・1360のダブルインバース型をリスクヘッジ資産として考えています。
理由は、単純にヘッジ費用が半分で済むからです。
先ほどの例でいえば、50万円分保有していたらリスクオフに出来ます。

インバース型ETFは、信用取引と違って保有している間にコストがかからないのが良いところです。
(信用取引は金利・貸株料がかかります)

ただ問題は「全世界株に連動するインバース型ETFが無い」ということです。
日経平均のインバース型ETFで代用できるかどうか検証してみます。

日経平均とVTの比較です。(過去5年間)

かなり差がありますね。
日経平均が2倍強上昇しているのに、VTは40%の上昇にとどまっています。

しかし、ここで忘れてはいけないのが「為替レート」です。
ドル/円レートは2012年の約80円から2015年の約120円へ、50%も上昇しています。
では円建てで比較するとどうなるか。

円建てで全世界株のリターンを見るのになかなか良いものが見つからなかったので「1550MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信」で代用します。

MSCIコクサイ指数は日本を除く先進国株式のインデックスです。
世界の時価総額の80%以上を占めます。
日本のシェアは8%ぐらいで、これは当然日経平均と同じ動きをします。
つまり1550で全世界株の90%をフォローできることになります。
そして1550は日本のETFですので、当然円建てです。

1550と日経平均の比較です。(過去5年間)

ほとんど同じ動きをしています。
ですので、日経平均のインバース型ETFは十分全世界株のリスクヘッジになると思います。

ただこのリスクヘッジ方法には少し問題があります。

○ポジションが大きい時はヘッジ用としてかなり資金が必要

全世界株2000万円分所有していて半分ヘッジしたいとしたら、ダブルインバースでも500万必要になります。

○株価が急上昇した時にパフォーマンスを悪化させる

インバース型は逆に動くので、株価が上昇したら当然下落します。ヘッジ率を上げれば上げるほど上昇局面でのリターンを悪化させます。

次の「プットオプション買い」は、上記のデメリットがありません。

2.オプション取引のプットオプション買い

オプションはよく「掛け捨て保険」に例えられます。
例えば日経平均19000円、9月限のオプションを買うとします。
コールオプションなら9月末に19000円で買う権利、プットオプションは9月末に19000円で売る権利を持ちます。

プットオプションを1枚買い(単位1000)、9月末に日経平均が17000円に下落していたら
(19000-17000)×1000=200万円の利益が出ます。
現在この条件のプットオプションは13万円ぐらいです。
13万円で9月末まで約2000万円分の株価下落をヘッジ出来るということです。

オプションの良い点は「想定と違った時には権利を放棄できる」ということです。
先ほどの例で、9月末に日経平均が逆に2000円上昇して21000円になったら、権利行使すると200万の損が出てしまいます。
これはインバース型ETFと同じです。

しかし権利を放棄、つまり購入費用13万円を捨てれば、権利行使する必要が無くなります。
これがオプションが「掛け捨て保険」と言われるところです。

現物を持ち、それのヘッジとしてプットオプションを購入することを「プロテクティブプット」と言います。

この手法を使うと「損失限定・利益無限大」のポジションになります。

どんなに株価が下落しても株の損失とプットオプションの利益が打ち消しあうので、損失はプットオプションの購入費用のみ、利益は権利放棄すれば無限大です。

しかしこの手法にも問題があります。
それは「高確率でオプション購入費用を失い続ける」ということです。

オプションは「期限が長くなるほど」また「権利行使価格が有利なほど」高くなります。
例えば10月限・19500円のプットオプションなら52万円です。
1年中このレベルの保険を掛けたら、300万近く費用がかかってしまいます。
そして暴落時にしか適用されないような遠く離れた価格のオプション(例えば15000円のプットオプション)は安いのですが(1万円ぐらい)恐らく実行されずに捨てることになると思います。

上記のデメリットがあるので、どのレベルのオプションを購入するのかはなかなか悩むところですが、株価が高騰していて暴落リスクが高い時にプットオプションを買っておくのは効果的な手法だと思います。


以上が、私の考える株式市場(β)の下落対策です。
1.インバースと2.プロテクティブプットを株式市場の状況や自分の相場観を加味して使い分けていけたらと思っています。

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コメント

  1. オークX32 より:

    「負のブラックスワン」⇨「正のブラックスワン」
    オークは現在65歳です。投資の積立期は既に終了し、運用しながら取り崩す時期に突入しています。幸いセミリタイアで、毎月定期収入があり、積立資産は後5年は崩さずに済みそうです。現時点で妄想しているのは、次の「負のブラックスワン」への対応方です。そんな時、肝に命じているのは、次の教えです。
    1 二時的思考をめぐらす。
    2 価格と価値の関係性に目を向ける。
    3 振り子を意識する。
    4 今どこにいるのかを感じとる。
    5 ディフェンシブに投資する。

    • ぴいとさん より:

      コメント、ありがとうございます。
      オークさんは悠悠自適でいらっしゃるようですね。
      私も負のブラックスワンに備えて二次的思考力を鍛えていきたいと思っています。