もっとも危険な不動産投資とは

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不動産投資、まだまだ盛んなようですね。
たまに物件情報を見てみても、非常に高値で取引されているようです。

一口に不動産投資といっても様々な種類があります。
中古区分・新築区分・中古マンション一棟・パーキング・店舗などなど。

その中で私が考える危険な不動産投資第1位は
「ハウスメーカーによる新築アパート」です。(ちなみに2位は新築区分です)
ちょっと前に週刊ダイヤモンドでも特集されています。

この新築アパートを、相続対策と絡めて販売する会社には本当に腹が立ちます。
○○建託とか○○リビングとか。
それと結託して簡単に融資を承認する金融機関も、本当に無責任だと思います。

何が腹が立つと言って、
・不動産投資について知識があまり無い人(特に老人)に
・年金が足りないという不安や子供に相続税を払わせたくない、といった真剣な悩みに付けこみ
・30年間固定収入が得られる安全な投資のように見せかけて
・不必要に多額の借金を背負わせ
・自分だけは絶対に損をしない仕組みで、リスクだけを買主に転嫁する
やり方だからです!

セミナーに行ったことも(完全に冷やかしで)実際の見積もりを見たこともありますが、彼らのプランは大体似たり寄ったりです。

・単身者向け1戸1000万の見積もり
・サブリースで利回り5%ぐらい
・契約期間30~35年
・契約書に「10年後に賃料見直しが出来る」と小さく小さく書いてある(さらに2年ごとに見直し)

例えば単身者用6戸のアパートを建てるとします。

木造アパート(1K6戸)
総建築費 6000万円
借入金額 5900万円(変動金利1.6% 30年)
年間返済額 250万円
サブリース賃収(35年借上げ) 300万円(利回り5%)
年間キャッシュフロー 50万円

自己資金100万円で年間50万円のキャッシュフロー。一見悪くないですよね。
(土地を持っていて利回り5%なので、本来はお話にならないのですが…)
ただし30年間これが続くならですが。

ハウスメーカーの収支で見てみましょう。
まず1戸1000万円がぼったくりです。少なくとも30%は利益を抜いています。
(木造1戸建てでも1400万円で建てられます)
まずここで
6000万×30%=1800万円の利益。

賃料は「新築プレミアム」で最初が一番高いです。
新築から5年ぐらいは空室率も低いし、10年間はほとんど修繕費用も発生しません。

実際の賃料が1部屋5万円・空室率5%としたら
10年間の賃料 5万×12か月×6部屋×95%×10年=3420万
サブリース費用 300万×10年=3000万
差し引き420万の利益。

最初に抜いた利益と合計して2220万。
空室率が想定より高くなったり家賃が下落しても、まず損はしないでしょう。

10年後

そして10年間が経過したら、爆弾投下です。
「家賃の減額交渉」です。

10年後に家賃が10%下落、さらに空室率10%になったとします。(これでも甘めの想定です)
サブリース会社の収入は
年間賃料 4.5万×12か月×6部屋×90%=292万です。
ここから少なくともサブリース費用15%は取るでしょう。修繕費の増加も見込まれますので。

そうすると、買主の収入は
292万×85%=248.2万
になり、ローン返済が年間250万なので赤字です。

この時点でまだ借金は4400万ほど残っています。
10年間で得たキャッシュフローは500万ですので、全然足りません。

22年後

キャッシュフローが無くなっても、頑張って耐え続けたとしましょう。
22年後にはさらに家賃が10%下がり、空室率も15%に上昇したと想定します。
買主の年間収入は210万に減少しています。
年間40万円の赤字です。

さらに、ここで次の爆弾がさく裂します。
「減価償却の終了」です。

木造建築物の減価償却期間は22年です。
ローン返済の元本分は収入とみなされますが、これまではそれが減価償却と相殺されていたので課税されていませんでした。
しかし23年目からは元本返済分に課税されることになります。

23年目の元本返済は220万円。
赤字が40万ですので、(220-40)×所得税20%=36万
36万円の税金を追加で払わなければなりません。
合計して年間76万円の赤字です。
そして22年経過しても、まだ借金は1800万円残っています。

ここで耐えかねて売却しようとしても、かなり難しいでしょう。
それは「次の買主が融資を受けられない」からです。
22年経過後の木造だと、属性の良い人でもせいぜい融資期間は10年ぐらいでしょう。
それだとまずキャッシュフローが出ないので、購入する人はほとんどいないと思います。
利回りを15%ぐらいにしたら買い手がつくかもしれませんが、それだと売値は1600万ぐらい。
借金を返すことが出来ません。

かなり甘めの想定でも、このようにお先真っ暗な未来が待っています。
全国の空室率は15%ぐらいですし、今後は人口も減っていくので、実際にはもっと悪くなる可能性の方が高いです。
融資も当然のように変動金利。現在は最低レベルなので、金利上昇リスクもあります。

この数年間でこのようなアパートが沢山作られたので、2025年あたりで
10年目の「家賃減額交渉爆弾」が日本中でさく裂しそうです。

周りにこんなアパートを検討している人がいたら、止めてあげてくださいね。

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